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Azureの資格試験「DP-100」を取得したので合格者の視点から語ってみる

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はじめに

マイクロソフト資格MCPにはRoleに合わせた様々なものがあるのですが、その中には機械学習系のRoleに関するものもあります。
以前から気になってちょくちょく勉強したりしていたのですが、最近ついに受験して合格してきたので、今回はそのDP-100という試験について共有したいと思います。

DP-100ってどんな試験?

公式サイトこちらです。
AzureのAI、機械学習系のサービスに関する資格試験の一つで、特にAzureのサービスを使って機械学習を用いたモデリングや分析を実際に行う方法に関する理解度を問われます。
機械学習の分析手法のことだけでなく、モデリングに使用するマシンの用意の方法から作成したモデルの運用まで、データサイエンスの業務のフロー全般が試験範囲になっています。
似た分野の試験はいくつかあります。例えば、AI-900という試験は人工知能機械学習の全般的なトピックを扱っています。特にAzure Bot ServiceやQnA Maker、Cognitive Serviceを用いた人工知能系のサービスに重点が置かれています。
他には、DP系試験の中にDP-203という試験があったりするのですが、こちらは機械学習そのものというよりは、機械学習に使用するためのデータの扱いが焦点となっています。
Azure SynapseやDatabricksを使用して様々な種類の大量のデータをどのように扱うかといった内容が試験範囲になっており、分析それ自体よりも機械学習で使用するためのデータの扱い方に興味がある方はこちらの方が向いているかもしれないです。
DP-100はそれらの中では機械学習の分析を行う方法の周りに焦点が置かれているのが特徴といえます。

DP-100ってどんな人向け?

Azureの機械学習系サービスに興味がある人、あるいはそれらを用いて業務を実際にこなしている人。
機械学習と言っても分析することだけでなく、マシンリソースの話から作ったモデルを運用するところまで含めて興味がある人向けの試験のように思います。
人工知能の分野も含めるとAI-900も候補に挙がりますが、チャットボットを作ったり画像内の物体検知したり云々というよりはデータを基にしてモデリングを行い、知見を抽出するデータサイエンスのトピックに興味がある人はDP-100が向いているように思います。
あるいは、次章のトピックを眺めてみて面白そうだったら受けてみるという決め方もいいかもしれません。

出題範囲のトピック色々

出題範囲は、サービスとしてみるとAzure Machine LearningサービスとDatabricks周りがメインになるのですが、機械学習系の業務のフローで見ると大きく分けて分析前の下準備の話、モデリングの話、モデリング後のデプロイや運用の話の3つくらいに分けられるように思います。
今回もその中で個人的におもしろそうだと思ったトピックをピックアップしていきます。
気になった部分がある方は、試験ページのLearnから、対応するトピックを探してみてください。

下準備

  • データの取得元の話。SQL Database、Databricks、Azure Storage等に配置したデータを分析対象にしたり。
  • データには欠損値や偏りがありがち。その解消方法とか。
  • 機械学習には分析のための高性能なマシンが必要。その設定方法とか。
  • 大量のデータを扱うのに使えるDatabricksというサービスのお話。

機械学習モデリング

デプロイ&運用

  • 作ったモデルはaksクラスターにWebアプリとしてデプロイして利用することができる。そのやり方とか。以前記事にも書きました。
  • いわゆるMLOpsの話。一度デプロイしたモデルを、時間の経過とともに更新して新しいデータに対しても精度を落とさないようにするには?
  • Application Insightsと連携してデプロイしたWebサービスからメトリックを出力し、運用状況を監視したり。

おわりに

今回は、最近試験を受けて合格したMicrosoft試験のDP-100について語ってみました。
この資格の試験範囲はAzureを使って実際にどういったやり方で機械学習を行うのかを学ぶのに一番適しているように思います。
興味が出たら、実際に試験を受けないでも、試験ページの下にある試験範囲に対応したLearnを見て興味のある分野について学んでみてください。

参考