cert-manager について簡潔にまとめておきますね
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はじめに
最近触った環境で cert-manager というソフトウェアを使用していて、その概要について把握するのにまあまあ時間がかかったため、あとで忘れたときの備忘録として、そして同様にソフトウェアについて把握したい方向けに簡潔にまとめておきます。
cert-manager とは
Kubernetes や OpenShift 上で動作する TLS 証明書の管理ソフトウェアです。
Kubernetes 上で Pod として常駐し、証明書が期限切れになる前に定期的に証明書の更新を自動的に行ってくれます。
作成した証明書は Kubernetes の Secret として自動生成されます。
Helm またはマニフェストで直接インストール可能です。
インストール方法
※前提条件として Helm のインストールが必要ですが未インストールであれば別途インストールしてください
マニフェストでインストールする
kubectl apply -f https://github.com/cert-manager/cert-manager/releases/download/v1.14.5/cert-manager.yaml
これで、cert-manager ネームスペースに cert-manager がインストールされます
Helm でインストールする
helm repo add jetstack https://charts.jetstack.io --force-update helm repo update helm install \ cert-manager jetstack/cert-manager \ --namespace cert-manager \ --create-namespace \ --version v1.14.5 \ --set installCRDs=true
インストールされるカスタムリソース例
cert-manager をインストールすると、cert-manager で使用するいくつかのカスタムリソースが Kubernetes 上にインストールされます。
cert-manager を使用しているクラスターには以下のリソースが存在するため、探してみてください。
インストールされるものの中で代表的なものは以下です。
Issuer
証明書を取得する認証局の設定を行います。
取得する元の認証局によって設定値が異なります。
https://cert-manager.io/docs/concepts/issuer/
パターンによる実装例はこちらから
https://cert-manager.io/docs/configuration/issuers/
ClusterIssuer
Issuer を全ての Namespace で使いまわす場合に使用します。
設定値は Issuer とほぼ同じです。Namespace の指定がないのが大きな差異です。
Certificate
作成する証明書の詳細設定を行うリソースです。
証明書の有効期限や期限の何時間前に更新処理を行うか、作成した証明書を保存する Secret リソースの名前、証明書の CommonName 等を設定します。
https://cert-manager.io/docs/usage/certificate/#creating-certificate-resources
何か問題が起きたときは
証明書発行に何か問題が起きた場合は、まず cert-manager の Pod のログを確認することをお勧めします。
デフォルトでは cert-manager ネームスペースに証明書更新を実行する Pod がいるはずなので、 kubectl logs
コマンドで Pod のログを確認してください。
また、cert-manager は起動時の設定次第では Prometheus 用フォーマットでメトリクスを出力できるので、そのメトリクスを監視することで証明書の更新失敗を検知できそうです。
具体的にどんな値が取得できるかは未検証&ドキュメントが見つかりません・・・
https://cert-manager.io/docs/devops-tips/prometheus-metrics/
おわりに
以前作業を行った環境で、名前だけは聞いていた cert-manager について実際に操作する段階でいろいろと調べる羽目になったため、同様に調べるときに欲しそうな情報だけまとめておきました。
同様の場面に遭遇した誰かの役に立つと幸いです。