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AKS で NodePool の VM のサイズを変えるには

f:id:nam_yu_sql:20211221130859j:plain この記事は cloud.config tech blog にもマルチポストしています。

tech-blog.cloud-config.jp

はじめに

Azure Kubernetes Service こと AKS を運用していて、スペック不足や運用費節約の目的で NodePool で使用する VM のサイズを変更したくなることが時たまあるかと思います。
その際のやり方には実はひと手間必要だったりするので、同じようなことで詰まった他の人向けに共有できればと思います。

1. まずは変更先の NodePool を作成する

まず前提知識として、一度作成した NodePool の VM サイズを変更することはできません。
なので、NodePool で使用する VM サイズを変更したい場合、新しい NodePool を作成して古いものを削除するという手順が必要になります。
「ノードプールの追加」から、新しい NodePool の追加画面に移ります。
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追加画面では、まず「モード」をシステムにします。
この設定は NodePool に他にシステムモードが設定されているものがない場合は必要です。
AKS の NodePool には、「システムモード」と「ユーザーモード」があり、少なくとも一つの NodePool がシステムモードで稼働する必要があるためです。
システムモードの NodePool に含まれる Node は Kubernetes Cluster でいうところの「マスターノード」となり、Kubernetes Cluster の管理者的な役割を果たします。
そのため、少なくとも 1 台の Node がマスターノードである必要があり、AKS では NodePool 単位でマスターノードとする Node の集まりをシステムモードの NodePool として設定している形です。
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余談は置いておいて、あとは VM のサイズとスケール範囲を指定して NodePool を作成します。

2. 変更元の NodePool を削除

新しい NodePool が作成できたら、NodePool の一覧画面に戻り、古い方の NodePool を選択します。
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NodePool の概要画面に移動したら、その NodePool の削除を行います。
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この時、もし他の NodePool が全部ユーザーモードだったりそもそも他の NodePool が存在しなかった場合はこの削除ボタンがクリックできません。
他に NodePool があるのに削除できない!という時は他の NodePool のモードが原因である可能性があるので、確認してみましょう。
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また、余談として、ユーザーモードとシステムモードの違いとして、ノード数の範囲の最小数を 0 にできるかできないかという違いがあります。
システムモードの NodePool は、少なくとも 1 台は動いている必要があるので最小数を 0 にすることができませんが、ユーザーモードの NodePool は最低で 1 台も動いていなくても問題ないということなのですね。
という豆知識でした。

おわりに

今回は若干素直ではない AKS の NodePool の VM サイズの変え方について共有しました。
覚えておくこととしては、NodePool のうち一つはシステムモードである必要があること、NodePool の VM サイズそれ自体は変更できないというあたりでしょうか。
分かってしまえば難しいことではないので、同じことで困っている人が居たら助けになれば幸いです。

参考